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マル秘ガイドブック マル秘ガイドブック

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床下の湿気被害 目に見えない落とし穴

  • 01フローリング床の強度低下

    ぶよぶよの原因は床下の湿気

    写真は築30年の住宅。床板がところどころ剥がれて波打ち、歩くとグニャリとします。床板を剥がしてみたところ、原因は湿気だとわかりました。しかも、土台の上に渡すはずの大引(おおびき)も入っていないという手抜き工事が露見しました。

    • ▲剥がれ波打つフローリング床

    • ▲原因は湿気と判明

  • 02浴室のタイル張り浴槽

    見えない亀裂から土台が腐食

    浴室のタイルは、築5~10年で見えない亀裂が入るもの。そこから水がが漏れると、土台や柱が湿気を含み、シロアリや腐食などの被害を招くことになります。更に悪化すると柱が下がり、建物が傾くこともあります。

    • ▲経年劣化で亀裂が入る

    • ▲湿気が多いと腐食の原因に

03床下湿気被害のメカニズム

地面から上がる湿気は土台や床板を腐食させ、さらに床材が合板の場合は接着剤を溶かして剥離させます。また浴室タイルの亀裂からは水が漏れ、さらに逃げた暖気が外部の冷気と壁内でぶつかって結露が生まれ、土台や柱を腐食させます。
対策には、まず土の上に防湿シートを敷き詰め、湿気が上に上がらないようにします。風通しの悪いところは竹炭などで調湿し、土台には湿気に強いヒバを採用。また壁内には断熱材を入れて、浴室の暖気と屋外の冷気をしっかりと遮断し、結露を防ぎます。

  • Before
  • After

04正しい施工方法で湿気対策

手抜き工事をしないことは当たり前ですが、床下の湿気に対しては、3段階で徹底的な対策をとっています。

防湿シート

地面から湿気が上がらないようにシートをすき間なく敷き詰めます。湿気のないところなら、カビや木を腐らせる菌が繁殖する恐れもありません。またシロアリが寄ってくることもありません。

天然ヒバ土台

土台には樹齢約1000年の天然ヒバを使用。硬く丈夫で柱のくい込みを抑えます。また、ヒバは水分を含むと、ヒノキチオールと呼ばれる強い香りを発します。ヒノキチオールとは殺菌・防虫効果のある物質のことで、ヒバに多量に含まれています。

壁内結露の被害 目に見えない落とし穴

  • 01壁内のカビ

    シロアリの被害にあった家を調べると、いたるところで木が腐っていました。断熱材もカビ、土台が柱にくい込み、家は傾いています。壁内の通気層が不完全で起きた内部結露が原因です。

  • 02断熱材の劣化

    暖房器具を新しくしても耐え切れないほど寒い家は、壁内を調べると断熱材に問題あり。グラスウールが湿気で縮んでしまっていました。特に筋交いまわりはカットして入れるため、注意が必要です。

  • 03老朽化した外壁

    外壁の欠けや剥がれが目立ち、壁を剥がしてみると内側が腐っていました。壁内が完全に密閉されていたために湿気がこもり、その湿気が内側だけでなく外側にも影響を及ぼした結果です。

  • 04腐った柱

    外壁の傷みの原因を調べたところ、外壁ではなく壁内に原因がありました。高気密住宅にもかかわらず通気層がなく内部結露が生じ、外壁や骨組を傷めていました。柱の腐食も進んでしまっていました。

05壁内結露被害のメカニズム

結露は、室内の暖気と屋外の冷気がぶつかる壁内で発生します。壁内に通気層が取られていない場合は湿気の逃げ道がないため、こもって断熱材を湿らせます。すると断熱性能は低下し、さらにカビや腐朽菌を繁殖させて木を腐らせます。
湿気に強い断熱材(吹付硬質ウレタンフォーム)をすき間なく充填して暖気と冷気がぶつかり合うのを防ぎ、結露の発生を阻止します。さらに空気がこもらないように外壁の内側に通気層を確保して、躯体の劣化を抑えます。床にも同様に断熱材を敷き詰めます。

  • Before
  • After

06正しい施工方法で湿気対策

湿気に強い吹付硬質ウレタンなどですき間なく家全体を包み込み、加えて通気層を設け、2段階で壁内結露を対策します。

  • 吹付硬質ウレタンフォーム

    液状の原材料を壁面に吹き付け、厚さ70mmまで発泡させます。ふくらんでいく過程でわずかなすき間にも泡が入り込み、熱を逃がさない高断熱を実現します。

  • 床:押出法ポリスチレンフォーム

    断熱性・省エネ効果に優れた断熱材。
    防水性もあり、ワレ・カケ・ヒビも発生しにくい。また、難燃処理により自己消化性を持つ高性能な断熱材です。

  • 壁内:通気工法

    壁の内側に通気層を確保し、通気性を高めることで結露を防ぎ、湿気による躯体の劣化を抑えます。ポイントは「入口」と「出口」。通気の入り口と出口をしっかりとつくります。

強度不足の被害 目に見えない落とし穴

01強度不足の壁

築30年の住宅。現在新築する場合、柱の寸法は10.5cm角以上の大きさが必要と定められていますが、昔はそうした制限がなかったため、この物件に関しては、部分的に9cm角の柱が使われていました。それによって屋根の重さに耐えられず、柱が弓なりに反り、サッシも閉まらなくなっていました。ところが、このサッシ自体、以前リフォームした際に、明かり採りのために壁をくり抜いて付けたものでした。よく見ると耐力壁の役割も兼ねて筋交いが入っていたらしく、無残にも切断の後が見られました。

02正しい施工方法で強度対策

重さに耐え切れない場所には柱を追加。その上から、施工が早く耐震性のある面材(合板)を、壁面全体に打ち付け補強します。一般的な筋交い工法と比べ、2.5倍の強度があります。